大判例

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東京高等裁判所 昭和24(を)新1474 高裁判例

主 文

本件控訴はこれを棄却する。

当審に於ける訴訟費用は全部被告人の負担とする

理 由

弁護人木原一史の控訴趣意は同人作成名義の控訴趣意書と題する末尾添附の書面

の通りである。これに対し当裁判所は次の通り判断する。

第一点 論旨は起訴状は本件窃盗犯について住居侵入の事実を記載しながらこれ

が罰条を示さないから違法である。従つて原審は本件公訴を棄却すべきであつたの

にこれをしなかつたのは違法であるから破棄を免れない<要旨>というにある。よつ

て記録を調査するに起訴状には所論のような記載はあるが起訴状の所論住居侵入の

点は本</要旨>件起訴に係る窃盗の情況を記述したに止まりその他に住居侵入の罪に

ついても公訴を提起したものとは認められない。窃盗犯のような犯情を異にするこ

と多き犯罪についてはその犯情を相当明らかならしめる事実を起訴状に記載しても

違法であるとは認められない。本件起訴状が本件窃盗と住居侵入を各別の訴因とせ

ず罰条もただ窃盗に関する法条を示し住居侵入についての法条を記載しない点など

を考えると本件公訴は只単に窃盗のみの審判を求めるのみであつて、住居侵入の罪

についてはこれを求めるのでなく該事実は本件窃盗の犯情として記載したこと明ら

かで仮令「硝子戸の施錠を外し居宅内に侵入し」とあつてもその理を異にするもの

でない。故に本件起訴状には所論のような違法はない。従つてこれを適法と認め窃

盗の事実について公訴棄却の挙に出でないで本件窃盗の罪について審理判決した原

判決には所論のような違法はない。論旨理由ないものである。

(その他の判決理由は省略する。)

(裁判長判事 吉田常次郎 判事 保持道信 判事 鈴木勇)

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